携帯電話のインターネ ツト・サービスを利用するのは若年層や女性が中心であり、年配者などに利用される機会は増えてきているとはいえ、比率としてみれば多いとはいえない状況だ。 また PCによるインターネットの利用に馴染んでいる人であればあるほど、携帯電話からインターネット・サービスを利用しない傾向も強い。それゆえ、携帯サイトが どうなっているのか、はたまた携帯電話で検索を利用する人がどれくらいいるのか、 理解していない人もいるのではないだろうか。そこでまずは携帯サイト、そして携帯 サイト向け検索サービスの現状について、簡単に説明していこうと思う。
携帯サイト、及び携帯サイト検索を語る上で欠かすことができない要素が、「公式 サイト」と「一般サイト」の存在である。 PCのウェブ・サイトの世界では、大企業のウェブ・サイトも、個人のウェブ・サ イトも全て同列上に存在するというのが常識だ。だが携帯電話の場合、携帯電話事業者の審査を通過した「公式サイト」と、 PCのウエプ・サイト同様に誰でも設置できる勝手サイトの2つに区別さ れていた。
前者の代表例としては着うたなどのコンテンツを有料で販売するものが多い。また後者としては「モバゲータウン」「魔法の i らんど」のように、ゲームやケータイ小説などのコンテンツが無料で提供されること が多く、かつ公式サイトでは提供しづらいコミュニケーション要素が含まれているも のが多い。 かつてはこの「公式」「一般」の区別が非常に厳格になされており、公式サイトは キャリアのポータルサイトに掲載されるなど有利な扱いを受ける一方、一般サイトは URLを直接入力しないとアクセスできない上、いわゆるか出会い系サイトなどと 一緒くたに扱われるなど悪いイメージを受けることが多かった。 だが近年では、一般サイトのコンテンツが公式サイト以上に注目を集めたり、 SNSのように、コミュニティを中心と したコンテンツが公式サイトとして認可されたりするなど、かつてほど枠組みが厳格 なものではなくなってきている。
そうした変化の中、かつてはキャリアのポータルサイトのメニューから、 各ジヤンルのカテゴリを経由して公式サイトへとアクセスしていた人達が、現在は検索サービ スを経由し、公式・一般を問わずさまざまなウェブ・サイトへとアクセスするように なっている。 ちょうどPCにおいて、ディレクトリ型検索からロボット型検索へと移行した時と 同じような変化が、携帯サイトでも起きているのだ。 特に大きな変化を与えたのは2006年。携帯キャリア各社がヤフーやグーグルと 提携し、自身のポータルサイトでも検索サービスを提供するようになった。これによ りがウェブ・サイトをキーワードで検索するというスタイルが、携帯サイトの世界 でも広く普及することとなったのである。