人間がいくらPCに向かつて高速にデータを入力しても、1秒間に5文字、10文字も打てれば速いほうでしょう。ところが、IoTは人間を介しません。データの入力が自動化されているからです。例を上げると、農場の作物の生育状況(画像)、温度、湿度、風力、風向き、雨量などのデータを、そこに置かれた多数のセンサーが瞬時に取得し関係機器に送り、自動的にデータとして蓄積することが可能です。当然、蓄積するデータ量が爆発的に増大します。参考に、2013年当時、世界中で4.4ZB (ゼタバイ卜=1021パイ卜=1012ギガバイ卜)と推定されたデータ量が、2020年には10倍の44ゼタバイトになると言われています。インターネッ卜が商用で使われるようになってから四半世紀が経ちますが、4.4ゼタバイトしか溜まっていなかったのが、2013年以降の7年間で一気に10倍になるという計算になります。データ量が指数関数的に急増しているという現れです。これは、IoTがこれまでとは全く異次元の膨大なデータをかき集め、ビッグデータを生み出している結果です。ここまでくると、もう人間でこなし得る限界を遥かに超え、不可能と言っていいでしょう。ところが、IoTによるビッグデータの時代には、「特徴量をすべて人の手で設計する」という面倒な作業をすることなく、「データから自動で特徴量を獲得する」方針が有望となりました。だからこそ、人に代わって特徴量を獲得することが可能なディープラーニングが登場したことは、IoT、ビッグデータという存在と不可分なる所以です。